エスメラルダ農園



エスメラルダ農園 / Hacienda  la Esmeralda

エスメラルダ農園(Hacienda la Esmeralda)は、パナマ西部の土壌豊かなバル火山の裾野、平均標高1,600mに位置する、世界最高峰のコーヒー豆を生産する農園として知られています。4つの農園を持ち、農薬を使わず、完熟実だけを手摘みし、収穫後の精製、乾燥など、細心の注意が払われています。

エスメラルダ農園は家族経営の農園で、1976年に肉牛用の牧草地としてピーターソンファミリーの手に渡りスタートしたのが始まりです。1987年には大部分の土地にコーヒーが植えられ始めましたが、その背景にはそれ以前に周辺土地で栽培されていた、およそ100年のコーヒーの知識と文化が大いに関わっていました。

 1990年代にスペシャルティーコーヒーという概念が登場してから、より優れたコーヒーを栽培するために標高が高く土壌が豊かなバル火山付近の農園を買い取り、ハラミージョ農園(Jaramillo)と名付けました。そこに偶然植えられていたゲイシャ種が大きく農園を変えていきます。

ゲイシャ種を発見したピーターソンファミリーはこれまでになかった方法でコーヒーの管理を行い始めました。農園を細かい区画に分け、一括して行なっていた精製処理をそれぞれの区画ごとに注意深く行うことで優れたロットを分離したのです。
その結果、2004年に出品したエスメラルダ農園のゲイシャがベスト・オブ・パナマ(パナマのコーヒー豆品評会)のオークションにて記録的な価格にて落札されて以降、エスメラルダ農園のゲイシャ種はそのユニークな香味特性とともに一躍有名となり、それまでは個性不足と言われたパナマ・コーヒーの個性を打ち出すことに成功します。

その後も自らの記録を更新しながら、毎年のようにベスト・オブ・パナマで優勝し続け、出品すれば必ず優勝するコーヒーと言われるようになりました。それ故、2011年以降はエスメラルダ農園独自のスペシャルオークションを開催するまでになりました。パナマ、ひいては世界のコーヒーシーンで一目置かれる農園として認知されています。