








ロースターコメント
今年の収穫分においては生豆の生産量が減産傾向でした。
そんな中でも、特に貴重なエスメラルダのゲイシャを皆さまにご用意できることをとても嬉しく思います。
とても特別な豆に対して行った、焙煎プロファイルを掻い摘んでご紹介いたします。
前田ヘッドロースター
焙煎プロファイル
Noria2SNは、繊細なパナマゲイシャの中でも特に長い乾燥工程を施すことで、エレガントさと熟したフルーツの印象がとても際立っています。焙煎においては、その特徴を明確に味わっていただく為に、クリーンカップであることはもちろん、甘さとマウスフィールに最もフォーカスした焙煎のプロファイル構築を目指しました。
生豆の投入温度を通常よりも下げ、焙煎初期に豆にかかるストレスを減らし、ボトムからテンポ良くカロリーを上げ、味わいの骨格となるエレガントな酸の形成を目指します。
メイラードフェーズで火力を最大限与え、甘さとマウスフィールの発達を促しました。1ハゼの手前から極端に火力を抑え、繊細なカロリーコントロールを行い、余熱とエアフローを意識しながらロースティなフレーバーがつかないよう最もエレガントな香り、甘さが感じられるポイントで仕上げました。冷めるにつれて様々なフルーツの印象を感じることができます。時間をかけてじっくりとお楽しみください。
エスメラルダ農園(Hacienda la Esmeralda)は、パナマ西部の土壌豊かなバル火山の裾野、平均標高1,600mに位置する、世界最高峰のコーヒー豆を生産する農園として知られています。4つの農園を持ち、農薬を使わず、完熟実だけを手摘みし、収穫後の精製、乾燥など、細心の注意が払われています。
エスメラルダ農園は家族経営の農園で、1967年に肉牛用の牧草地としてピーターソンファミリーの手に渡りスタートしたのが始まりです。1987年には大部分の土地にコーヒーが植えられ始めましたが、その背景にはそれ以前に周辺土地で栽培されていた、およそ100年のコーヒーの知識と文化が大いに関わっていました。



1990年代にスペシャルティコーヒーという概念が登場してから、より優れたコーヒーを栽培するために標高が高く土壌が豊かなバル火山付近の農園を買い取り、ハラミージョ農園(Jaramillo)と名付けました。そこに偶然植えられたゲイシャ種が大きく農園を変えていきます。
ゲイシャ種を発見したピーターソンファミリーはこれまでになかった方法でコーヒーの管理を行い始めました。農園を細かい区画に分け、一括して行なっていた精製処理をそれぞれの区画ごとに注意深く行うことで、優れたロットを分離したのです。



その結果、2004年に出品したエスメラルダ農園のゲイシャがベスト・オブ・パナマ(パナマのコーヒー豆品評会)のオークションにて記録的な価格にて落札されて以降、エスメラルダ農園のゲイシャ種はそのユニークな香味特性とともに一躍有名となり、それまでは個性不足と言われたパナマ・コーヒーの個性を打ち出すことに成功します。
その後も自らの記録を更新しながら、毎年のようにベスト・オブ・パナマで優勝し続け、出品すれば必ず優勝するコーヒーと言われるようになりました。それ故、2011年以降はエスメラルダ農園独自のスペシャルオークションを開催するまでになりました。パナマ、ひいては世界のコーヒーシーンで一目置かれる農園として認知されています。

